750カタナを購入してしばらくたったある日、「神戸ユニコーン」が横浜に移転してきている、という情報を入手。
「神戸ユニコーン」というのは、一言でいえば「カタナのスペシャリスト」。カタナの事ならメーカーよりも知っている、と言われているショップです。それが神戸から横浜に来たとなったら、カタナ乗りとして行ってみないわけにはいかないでしょう。
興味深々で、ちょっとドキドキしながら「神戸ユニコーン」へ。
スタッフの神尾さんが「とりあえず、どんな調子か見てみましょうか」と言って下さったので、店の前に停めていたカタナにエンジンをかけました。
2秒もせずに、松尾さんは「エンジン切っていいです」と言いました。そして、ガタが来ている部位を列挙して、
「ちゃんとした状態にするには、最低でも40万くらいはかかってしまう」
「40万かけても、ベストの状態になるかわからない、」
と宣告されてしまったのです。
そして「同業者として、こんな状態のバイクを商品として売るというのが許せない」と。
それは、僕にはかなりの衝撃でした。GSX-Rの頃からお世話になってきたショップを、頭から否定されてしまったのです。
同時に、エンジン始動から2秒でそこまで断言できる、という事実にも衝撃を受けました。「スペシャリスト」の風評は伊達じゃないのだと。
神尾さんは「販売車種としてラインナップされている間は、1100を新車で買うのがベスト」とおっしゃいました。
僕としても、750カタナをある程度乗りこなせるようになったら、次の車検時あたりで1100にステップアップしても良いかな、とは考えていました。…でも、GSX-Rを腐らせた記憶があります。
僕はそのことを伝えました。すると
「カタナは空冷だし、そんなに気にするほどのことはないと思う」
「増すのは主に低速トルクなんで、1100の方が、街乗りなんかはかえって乗りやすくなる」と。
この時点で、僕の選択肢は3つ。
- 750カタナを、出来るところまで整備してもらって(少なくとも2年は)乗る。
- 現状のまま750カタナに2年乗って、車検時に1100に買い換える。
- 今すぐ1100に買い換える。
さすがにその場では決められず、その日は何もせずに帰りました。
そして、それからしばらく経ったある日。
福岡で行われるピアニスト・笹川敏幸さんのコンサートに、バイクで駆け付ける話が持ち上がったのです。
「かなり状態が悪い」と宣告された750カタナで往復2,000kmを超えるロングランは、正直なところ不安です。少なくともタイヤはチューブレスにしておきたいし、挙動不審になってきた電装系も直さねばなりません。でも、いずれ手放して1100に買い換えるつもりでいるバイクに、そこまで手をかけるべきなのか?それとも…
訪福の日程からナラシ期間を逆算して、9月中旬までに納車可能なら、ステップアップする。
そう決めて、僕は神戸ユニコーンに電話しました。
返事は「7月のロットが9月11日にあがってくるから、間に合いますよ」。
はい、決定〜!!
その日のうちに神戸ユニコーンに伺って、その場で契約しました。
「うちはアフターケアとリプレイスパーツが商売だから、新車販売で儲けようとは思ってないんですよ」との言葉通り、乗り出しで100万を切る良心価格。
その中には、エンジンガード・常時点灯キャンセルスイッチキット・パワーアシストクラッチキャンセル(ステンレスワイヤー&ロングレリーズアームキット)などのオプションパーツ代も含まれているのです。
…ちなみに車両本体価格は899,000円です。