SMALL-FIELD / BIKE LIFE

6th BIKE:GSX1100S

1. Prelude

750カタナを購入してしばらくたったある日、「神戸ユニコーン」が横浜に移転してきている、という情報を入手。

「神戸ユニコーン」というのは、一言でいえば「カタナのスペシャリスト」。カタナの事ならメーカーよりも知っている、と言われているショップです。それが神戸から横浜に来たとなったら、カタナ乗りとして行ってみないわけにはいかないでしょう。

興味深々で、ちょっとドキドキしながら「神戸ユニコーン」へ。
スタッフの神尾さんが「とりあえず、どんな調子か見てみましょうか」と言って下さったので、店の前に停めていたカタナにエンジンをかけました。

2秒もせずに、松尾さんは「エンジン切っていいです」と言いました。そして、ガタが来ている部位を列挙して、
「ちゃんとした状態にするには、最低でも40万くらいはかかってしまう」
「40万かけても、ベストの状態になるかわからない、」
と宣告されてしまったのです。

そして「同業者として、こんな状態のバイクを商品として売るというのが許せない」と。
それは、僕にはかなりの衝撃でした。GSX-Rの頃からお世話になってきたショップを、頭から否定されてしまったのです。

同時に、エンジン始動から2秒でそこまで断言できる、という事実にも衝撃を受けました。「スペシャリスト」の風評は伊達じゃないのだと。

神尾さんは「販売車種としてラインナップされている間は、1100を新車で買うのがベスト」とおっしゃいました。
僕としても、750カタナをある程度乗りこなせるようになったら、次の車検時あたりで1100にステップアップしても良いかな、とは考えていました。…でも、GSX-Rを腐らせた記憶があります。
僕はそのことを伝えました。すると
「カタナは空冷だし、そんなに気にするほどのことはないと思う」
「増すのは主に低速トルクなんで、1100の方が、街乗りなんかはかえって乗りやすくなる」と。

この時点で、僕の選択肢は3つ。

  1. 750カタナを、出来るところまで整備してもらって(少なくとも2年は)乗る。
  2. 現状のまま750カタナに2年乗って、車検時に1100に買い換える。
  3. 今すぐ1100に買い換える。

さすがにその場では決められず、その日は何もせずに帰りました。

そして、それからしばらく経ったある日。
福岡で行われるピアニスト・笹川敏幸さんのコンサートに、バイクで駆け付ける話が持ち上がったのです。

「かなり状態が悪い」と宣告された750カタナで往復2,000kmを超えるロングランは、正直なところ不安です。少なくともタイヤはチューブレスにしておきたいし、挙動不審になってきた電装系も直さねばなりません。でも、いずれ手放して1100に買い換えるつもりでいるバイクに、そこまで手をかけるべきなのか?それとも…

訪福の日程からナラシ期間を逆算して、9月中旬までに納車可能なら、ステップアップする。

そう決めて、僕は神戸ユニコーンに電話しました。
返事は「7月のロットが9月11日にあがってくるから、間に合いますよ」。
はい、決定〜!!
その日のうちに神戸ユニコーンに伺って、その場で契約しました。

「うちはアフターケアとリプレイスパーツが商売だから、新車販売で儲けようとは思ってないんですよ」との言葉通り、乗り出しで100万を切る良心価格。
その中には、エンジンガード・常時点灯キャンセルスイッチキット・パワーアシストクラッチキャンセル(ステンレスワイヤー&ロングレリーズアームキット)などのオプションパーツ代も含まれているのです。
…ちなみに車両本体価格は899,000円です。


2. BIKE LIFE with "RE-KO" (1998 Summer - )

photo:ピカピカのチェーン & リアスプロケット

ついに巡り会った、我が相棒。

二輪・四輪を通じて、初めての新車購入なので、もう嬉しくて嬉しくて。
納車時の、ピカピカのチェーンとスプロケには感動しました。

こいつには名前があります。「みんなのレーコ号」。
僕、基本的に物に名前をつけるのは趣味じゃないんですが、ナンバーを覚えるために。そう、単なる語呂合わせです。

慣らしでは、「300km過ぎから使用回転数を100km毎に1000回転ずつ上げていく」「すると慣らし完了(1000km)でレッド直前まできっちりアタリが取れて、下から上までスムーズに回るようになる」といわれたのですが…7500回転で巡航するのは難しかったです。2速で80km/h(高速道路での、バイクの法定速度)出ちゃうんですもの。

そして購入後、一ヶ月経たずに福岡へ。旧「Small Field」ではお茶濁しのレポートしか書けませんでしたが、色々な意味でとても有意義なツーリングでした。

…レーコとの暮らし(なんかすけべな言い方…)は、折りにつけレポートとして公開していくつもりです。長い付き合いになるはずだからね!


3. Impression

photo:GSX1100S 「レーコ号」

乗り味:

僕にとって「フロント19インチ」がしっくりくるのは750カタナの方でも書きましたが、リア17インチ(750は18インチ)も相性が良いようです。
乗り継いできた中で、最もコーナーが楽しいバイク。19-17という組み合わせなのに、フロントタイヤがサイドまで(それなりに)使われているのを見て、たくみ選手が驚いていました。つーか、「俺には理解できない」だって。

ホイールベースが長いので、直線での安定感も抜群。神奈川から福岡まで一日で走りきれたのも、この安定感に拠るところが大きいと思います。

低速トルクと大きなシートは、タンデムの味方。楽チンです。

その他:

カタナの一番の魅力は、その独創的なデザイン。
それはカウルからタンクにかけての流れるようなラインに因るところが大きいと思いますが、冷却フィンも美しい空冷エンジンの存在も、忘れてはならない重要なポイントではないかと思っています。

ただし…渋滞はさすがにツライです。エンジン・オイルには「MOTUL 300V」を奢ってやっているのですが、それでも環八の渋滞ではギヤ抜けすることもあります。
現行カタナには元からオイルクーラーがついているのですが、もう少し冷却効率の高いものに換えたくなります。



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